徒然:[Carraraカッラーラ、Mr.Nicoli] と  [早川の手] 2004327日 はやかわ 戻る

フィレンツェに滞在中に「カッララ」と「サントロピエタ」へ行こうと決めていた。
鈍行列車でピサ。ジュノヴァ行きに乗り換えて、半島の西海岸を北上する。
やがて 線路脇に船荷用に梱包された石材や 路肩に置かれる石が増えて来る。
鄙びた駅まえのカフェともバルともつかない呑み屋?喫茶?に入ると 列車で乗り合わせた
爺ぃさま、婆ぁさまが一杯やっていた。

やあ やあ とお互いつたない英語で国際親善。
 
駅前のタクシーで15分ほど 突然「スキー場」かと 見違えるような大きく真っ白な岩山が
現れた。 目的のミケランジェロが使った 石の山。
 
予約していたふたつ☆ホテル ミケランジェロへ投宿。
待遇はふたつ☆ 値段はみつ☆orよつ☆
部屋へ来たホテルのマダムがシャワーしかないことを詫びながら 見どころ、レストラン、
Laboratori Nicoli、などを 教えてくれた。
 
大都会ローマやフィレンツェにくらべて すべてに安く親切。
落ち着いた街を散策しながら登っていくと ニコリのラボラトリに着いた。
 
ニコリは快く招き入れてくれ 三時間ほど あれこれ話し合った。
途中 お嬢さんを呼んで珈琲を振る舞いながら、彼女が15歳のときの大理石像について
語った。
さかんに「自分はマーブラー、大理石彫刻屋でクリエーターではない」と強調していた。
しかし 15歳の愛娘(まなむすめ)像は わたしの恩師、船越安武先生の作に勝るとも劣らない。
強烈なマーブラー大理石彫刻屋としての誇りと自負を感じさせた。
パンフレットのミケランジェロ作モーゼのコピーを観れば 一目瞭然。
 
わたしのデータ消失で 何十枚もの失った写真が惜しい。
お嬢さんは いまや22、3歳。 若い彼女の記録は 取り戻せない。
 
サントロピエタにはインターナショナル彫刻学校があります。
この次訪れるときは 若い学生たちの様子もみてみたい。
 
マーブラー ニコリ:Nicoli

 
 
ニコリがおどけて はやかわ、を 「聖者」に見立てて 崇めるの図
 

 

 
 
ニコリさんの「商売」用パンフ。
ラボラトリNicoliモーゼと 600pix P1010955
 
かの、「セザール」の受賞作は ニコリ氏作です。

はやかわ、の も「作る」から デッサンだけ送って寄越せと熱く勧誘されました。
スゲェ 技術をひい爺様から 綿々 受け継いでいる。
ラボラトリNicoliP1010953 kiri 1 600pixpix 46kb
 

Cesar・セザールから送られてきた石膏原型を 大理石に刻んでいます。
彫刻は最終形態 ブロンズに鋳込まれる、石に彫られると原型より数倍の「力」を
感じさせる。
Cesarの受賞はNicoliに負うこと大、と わたしはみた。
ラボラトリNicoliP1010953 kiri 3 セザールの石膏600pix 63kb
 
セザール:Cesar [LePouce]
セザール  ラボラトリNicoliP1010953 kiri 2 500pix 33kb
 
ラボラトリNicoliP1010952前庭 kiri 600pix
 
 

ニコリ代作、Poncetの“Lembellie
ラボラトリNicoliP1010952 kiri 2 260pix

 

ニコリ代作ミケランジェロ・ピストレット
DietroFronto
ラボラトリNicoliP1010952 kiri 3 260pix

 
 
 
ラボラトリNicoliP1010952 kiri 4 260pix


若井さん:wrote
 
-----元のメッセージ-----
差出人 : 若井 千鶴 [mailto:        co.jp]
送信日時 : 2004年3月27日 15:49

宛先 :
CC :

件名 : Re:: [TACHIKO16] Re: :読売 tv 番組「天才とは何なのか・・」B
「聖者」に見立てて崇めるの図
 
これはたいへんイタリア的で、是非いれてもらえたらと思いまし
た。こんな写真付きで美術関係のことを紹介する者はあまりみ
あたらないので。

 イタリア人て、真剣な時は真剣なんだけど、こういうふうに楽し
くしてくれるでしょ。そういう面を引き出した早川のキャラクター

も、感じられて、とても、ユニークなHPになって行くと思います。
 
と、二コリの仕事場の大きな指。これはとても、びっくり。
これもいれてほしいです。

あのイタリア人のアトリエの騒々しい音や、人の声がきこえて
きそうですね。
 
美術館の完成芸術品を見ただけでは、とても、グループ作業の
彫刻の制作過程は創造できないですから。きっと、ルネッサンス
のころから、こういう風だったんでしょうね。
 
 

 
カッララと言えば
「泰山木 HP MENU 早川の世界 ミケランジェロ <序にかえて>」写真を
感謝をこめて入れておかねばならない。
MENU 早川の世界、三枚のカバー絵のデザインは大変ありがたく気に入っています。
中島さんが時々変えてくださるのも 嬉しい。
<序にかえて>2枚も 含めて ありがとう ございました。
 
若井さん ミケランジェロ「序」絵

実に カラーラの山はこのようでした。
わたしの失ったデータは もっと遠くからで 
雪山そのものでした。
 
若井さん ミケランジェロ「序」文

ミケランジェロ
 
  ・・・ただそこにあるものを、取り出すだけ・・・
 
 
カラーラの海の底に眠る大理石。
オリンポスの罪人が海神ネプチューンに閉じ込められたのか、


作家は耳をすます。
ひたひたと、波のつぶやきが切り取られた大理石の回廊を巡る。
突然、作家の指が白い岩の一片を指す。
「出ておいで。 私と一緒に永遠の旅に出よう。」

 


 
若井さん ダ・ヴィンチ「かばー」「序」絵・文


若井さん ダ・ヴィンチ「序」文


ルド  ヴィンチ

「絵画」は物言わぬ「詩」であり、「詩」は めしいの「絵画」であって、
どちらも自分の能力のなしうる限り自然を模倣してゆく。

水中に投げ込まれた石は数多くの波紋の中心となる。そして空気も同
に波紋で満
ちている。その中心は空中に作られた音及び声である。                       
画家は万能でなければ賞賛にしない。
執拗な努力よ。宿命の努力よ。

可哀相に、レオナルドなぜおまえはこんなに苦心するのか。

   以上 レオナルド・ダ・ヴィンチの手記(上)(下) 杉浦明平訳 岩波文庫 より引用

 
MENUの「序に変えて」関連して
かばー[早川の手]です。
 
若井千鶴さん作成 MENU COVER [早川の手]を含め
三枚のCOVERを作っていただいた。
どれも わたしの「お気に入り」で 感謝しています。
 

早川の手                     .

 
かばー[サン・マルコ修道院 北側回廊:受胎告知]

 サンマルコ修道院・北回廊僧房廊下・受胎告知 650pix 22kb

 
かばー[フラ・アンジェリコ、部分エルサレム]

 十字架降下・エルサレム左2-1  17kb              .

                            2004327日 はやかわ