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浜中初江著
「 Dear my friend 」
ふたりで綴った一語一絵(共著)

岩野浩二郎 


●発行:第一企画
B4判変型72ページ・オールカラー 
定価:1800円(税込)

 昨年(2003年)暮れに吉祥寺で行われた恒例の大野春樹くん「パライソ・コンサート」で、いつものように美味しい創作中華料理と紹興酒に舌鼓を打って、いよいよトリオの登場となった。すると、席決めで最前列のボクの隣におられた同期の美女が、素早くハガキと小さな筆・絵の具のセットを取り出し、熱唱大野トリオをスケッチし始めた。一心不乱の彼女は一曲終わるたびに一枚、次の曲でまた一枚と、実に手際よい。ついのぞきこむと、あ、これが噂の「絵てがみ」なのだった。その描き手こそ、まさに、この本の著者であるところの浜中初江さんだった。

 その場でボクはつい、その絵をねだっていた。それ、ぜひ、送ってください、僕に! 恥も外聞も、いわれなんかもありゃしない。だって、まるでインプロビゼーションそのもの、自由で、臨場感いっぱいのきれいであったかい手描きの絵と率直なコピーそれらが合わさったこんな嬉し楽しの「おてまみ」なら、誰だっていただきたいに決まってる。
 この本はオールカラーの大判で、青梅市にお住まいの浜中さんと長野県のお住まいの友人のお二人による共著。いわば「愛の絵てがみ交換集」である。だから共著なのは当然にしても、驚くなかれ、これは並みの交換集ではない。なんと1000日、つまり3年近く毎日毎日雨が降ろうと槍が降ろうと雪ニモ夏ノ暑サニモ負ケズ二人で交換し合ったその成果なのだ。もう、言葉を失ってしまうほど。


 本の「はじめに」にはこうある。『・・・・絵てがみは「手紙」。描くこと以上に、深く交流することが一番大切なことだと思い、二人で毎日「絵てがみマラソン」を続けてみることにした……そして365日に到達してみると、心の底から絵てがみでの交流が楽しくて、二人ともどうにも辞められなくなっていたのです。……来る日も来る日もせっせと描き続けた1000日間。足跡を振り返ってみると「やっぱりすごい!」の一言です。……語り尽くせないこの楽しさを……一冊の本にまとめてみました。作品としてお見せするほどのレベルでないことは重々承知しておりますが、折にふれ、ご高覧いただければ幸いです。』

 ともあれ、ぜひご高覧あれ。どれも心がこもっていて、自分を見つめたり、相手を思いやったり、そうした人生の刻一刻を大切に思う態度のなかにこそ、絵てがみというものの感動や真実があるんだなと実感できる。大判のオールカラーで一枚一枚の素朴さが感動的で、美しい交流の軌跡があふれている。(カラーで紹介できないのが残念!)これも一種の自分史なのだと思う。
 最初に記した大野トリオの絵だが、もちろんボクに送っていただけるはずもなく、すべてこのお相手の長野のご友人に送られたわけである。とほほ。せめて、浜中さんにぜひ同期のボクらに「絵てがみ講座」を開いてご教授いただきたいと思った次第。皆さん、どう思いますか? 

★浜中初江著「Dear my friend」
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浜中初江

大野春樹パライソコンサートで作成された絵てがみ
本書の内容