index next


湯川(赤岡)晴美

 泰山木の花の季節に、40年以上前に共に学び、遊び、青春の3年間を共有した、立川高校16期生の会が開催された。昨年の6月15日のこと。
 往時、多感な、紅顔の美少年美少女たちは、「三多摩の秀才、ここに在り」などと俗に言われ、大なり小なり自信満々で立高の門をくぐったものでした。ああ、それなのに、私の場合、すごーく早い時点で、自分の現実を思い知らされたのでした。忘れもしない、「数T」の赤ザブ……見たこともない成績にびっくりしたけれど、逆に何かフッ切れた感じで、テニスにのめりこんでいったのかな?
 それとも逃げていたのかな?
 色々な想いを抱えながら、40 年後の紅顔の美少女美少年たちは、白髪やら、赤ら顔やらになってその分貫禄をつけて、新宿のホテル・センチュリーハイアットの「ラプソディ」に集まった。
 なぜか、特別、誰に、何を、ということがないのに、その時が楽しみで、皆の顔を見ると嬉しい。皆一人一人頑張って、自分の道を歩いて生きてきた。参加した人の人数分の人生が、ある。その人の人生、「それでいい」「それもいい」「それがいい」。
 皆が、皆を尊敬し、認める優しさとぬくもりが、その空間に満ちていた。
 不思議なことに、一瞬のうちに、時をかけもどり、あの頃の自分に会わせてくれる。「あの時、こうだったわよ」「貴女、こんなこと言ってたわよ」などなど……。自分よりもずっと色々なことを覚えている人がいて、何とも気恥ずかしい限り。
 また、驚いてしまうことは、恩師の先生方 が、ツヤツヤと若々しく、錆びていないお姿で、多数参加してくださること。「めだかの学校」みたいに、誰が生徒か先生か状態になってしまう。素晴らしい先生方! バン ザーイ!!
現実にもどれば、厳しい世代。不況の波 の中で、リストラや定年問題、親の老齢化と 介護。自分の病気やら、体調不良。etc.
世界は?というと、絶えない戦禍、憎しみの連鎖……。あー、これが現実!
でも、この時代、この現実だからこそ、立高16期の人々は、顔を上げ、前を見据えて、毎日毎日ポジティブに生きる。自分のできることを、自分の立場で、精一杯に生きる。死ぬまで生きる。
幸せの定義も不幸の定義もないのだから、 すべて自分の胸三寸。自分の信じるまま、思うままに、自分の人生の主人公として、たった一つの自分史の中をコツコツと楽しく、生きていきましょう。
 今度、この16期の会が開かれるのは、ほ とんど60 歳を迎える、いわゆる還暦の時。(私は3月30日生まれなので、ゴメン! つ き合えないけれど……)
 暦は還って、また生まれ直し、生き直しの年。楽しいひとときを過ごすために、皆頑張 ろうネ。そして良い顔で、16期の皆に会いに行こう!
 また、この会の開催のために、陰になり日向になって、尽力を惜しまずにいてくださる人々に、無限なる感謝を覚えます。
 ありがとう!

index next