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生田恵稔 |
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一昨年の12月中旬のある日、近隣のお寺(広清寺)の住職から葬儀の役僧(手伝い)を頼まれた。
葬儀当日、その寺に出向いたら驚くことになんと我が同窓・久保島訓君の葬儀であった。ご家族の話によると全くの急逝だったとのこと。
その日は久保島家菩提寺住職のもと、私は和尚の立場として、また同窓生の立場として、葬儀・火葬・納骨・初七日と導師とご一緒に御回向させていただいた。
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高校卒業後、久保島君とはこれといって特別な付き合いはなかったが、これも何かのご縁だったのだろう。
もう何年前になるのか、立川グランドホテルで16期生同期会が開かれた少し前、久保島君は自転車で我が寺へふらりと現れた。高校卒業後初めての再会であった。
その時の話は、同窓会の案内がきているので出かけてみようかとの誘いで、確か二人とも参加したと思う。
久しぶりの再会なのに、近況とか仕事の話はせず、なぜか寺に関する話ばかりしていたように思う。久保島家が菩提寺の開基になっていることや、彼が亡き父を引き継いで施主として寺の役員を務めていることなどを語っていた。
私と久保島君との次の出会いがご当人の葬儀とは、何かの因縁であるとしか思えない。
ご冥福を心から祈る。
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