還暦つれづれ
  
一巡りして 396とおりの新たな出立
夢があり希望があり 次世代への思いがある
新しい泰山木の生長とともに始まる
私たちの旅路
 
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退屈しない日々を送りたい!
02 岸本郁江 (旧姓・斎藤)
 ささやかな仕事もやめ、家事も減り、自由に使える時間はたっぷりある。そこで私が一番恐れているのは、時間をもてあまし、退屈してしまうことである。そうならないためにはどうすればいいか。私の場合は、他からの刺激を受ける機会を持つことと、一人で上手に遊べるようになることだと思う。
 他からの刺激といえば、旅に出ることもその一つである。 まだ見ぬ風景に、そこに生きる人々の生活や文化に触れる。余裕があれば海外に、そうでなければ、国内を、バスや青春18 切符を使っての旅もいい。体力が許す限り、山旅もしたい。他には、友との語らいや、講演を聴いたり、映画、演劇、音楽の鑑賞など、頭や五感を刺激する機会を多く持ちたい。
 一人遊びに関しては、好奇心があれば、どんどん世界は広がる。母が茶道を教えていたので、お茶の文化に触れたことは幸いだった。書、陶磁器、裂地、茶花など、知りたいこと、学ばなければならないことが山ほどあり、一生勉強しながら楽しめる世界である。
 また、最近、ものをつくる、ものを生かす喜びを知った。箪笥に眠っていた古い着物から日常着をつくる、残り毛糸でセーターを編むといった手仕事は、心を和ませる。
 これから先、ずっと健康であるという保証はないし、何が起こっても不思議はない年齢である。だから、そのときそのときを精一杯楽しめばいいと思っている。もちろん、自分が楽しむだけでなく、人様のお役に立てればそれに越したことはない。が、無理にそれは求めない。あくまで自然体で、自分の力が生かせる機会が巡ってきたらしようと思っている。
 いつまでも、明るく、楽しく、そして一人でも凛として立っていられる人でありたい。