早川 正洋  2003年6月6日  ミケランジェロ 2 ロンダニーニのピエタ  P.03


取りあえずこの写真を見てください。


  
ここでは、次に選ばれたカタチが、徐々に出てきています。

新しい太ももは磨かれており、新しい腕は、「取り残された」腕の後ろに現れています。
(ようやく復元した写真なのですが、胸から腹部にかけてと、向こう側の大腿部が はっきりしません。)
やり直す前の、腕がよく判ります。


右モモの上に残る 大きな「取り残された腕」で、お分かりいただけるだろうか?

文字通り「未完」だと思う。
しかし、「完成」とはなにか。しょっちゅう考えさせられる。
ロンダニーニのピエタだけでなく、ミケランジェロの表現方法のひとつについて考え てみたい。
「未完」ということなのだけれど、 ミケランジェロは「磨く」=「完成」という考えを取ってない。
「磨かない」ほうがより良く表現できる、あるいはそれがより「完成した」表現になり得ると考えた。

「囚われ人」−−石の中から奴隷が出てくる表現。 
原石から、生まれて、「出てくる」ようです。
ほとんどが 未完。 


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