早川 正洋  2003年6月6日  ミケランジェロ 2 ロンダニーニのピエタ  P.05


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 いちばん分かりやすい 最後のピエタと言われる ドーモのピエタ
 最後のピエタ(慈しみ 哀れみの意)

磔刑から降ろされたイエスを抱くマリア様と、背後でキリストを支えるニコデモ (ミケランジェロの自刻像)。
自刻像の衣服、顔の表情など、ほとんど磨かれてはいない。 にもかかわらず、その表現は・・・・・・。
いだかれているイエスは、磨きこまれている。
この写真では写ってないのですが、ミケランジェロの没後、弟子のひとりが完成(?)させようと
マリア様の顔に手を加えた。
カービングの必然で、良くすることもできず、それ以上足すこともできず
ひどいことになったまま現在に至っている。ホントにヒドイことになっている。
しかし、そのマイナス面があっても、最高傑作だと思います。
大方のひともそう見ているでしょう。


 キリストの後ろ マリア様の顔が削られているのが判るでしょうか。
 

尻切れトンボになってしまいますが なんとも胸を打つのです。


〜ロンダニーニのピエタについては(人体を彫りだす 彫刻家の肉体的 力の衰えに対し、明らかに精神力が勝って いる。しか聖母とキリストの体がひとつに合わさり、母性によって魂の救済 を強く訴える。)西村書店・新 西洋美術史〜
 


というような解説に出会うのですが、なにかがこぼれ落ちているように思えるのです。


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