「九月二十三日の旭川のコンサートに皆で行こうという話があるんだけど、どう? 大雪山の紅葉も見られるし」。楽しい誘いにはすぐ乗る私は即参加を決め、十五名以上だと団体割引が使えるからと友達にも声をかけた。
かくして集まった同期生とその連れ合い数名を含む総勢十六名は、八時五十五分羽田発JAS193便で旭川へ。空港では尾崎さんとなぜか内田さんが出迎えてくれた。さっそく「ソプラノコンサートツ |
アー御一行様」と書かれたバスに乗り込み、旭岳へ向かう。台風の影響もあって道中は深い霧。が、ロープウェイに乗り換えた頃から太陽が顔をのぞかせ、終点に着いた時にはスカッと抜けるような青空が広がっていた。
紺碧の空と茶色の山肌のコントラスト、木々の紅葉、遠くに広がる雲海、どれをとってもグラビア写真のようにきれいだ。はるばる来た甲斐があった。もっとゆっくりしたかったが、急がないと三時からのコンサートに間に合わない。 |