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ラテントリオ「パライソ」に酔った! 岩野浩二郎

♪ケーボニトソホス ティーエネス デバーホデサスド セーハス デバーホデサスド セーハス ケーボニトソホス ティーエネス
マーラゲエ〜〜〜(裏声三十秒!)〜〜〜ニャ サレロッサ

 ご存知『ラ・マラゲーニャ』が始まった。このラテンの名曲を皆さん覚えていますよね。♪ああ、なんて君は可愛いんだ! マラゲーニャ! 。
 「春ちゃん」のあのハスキーなソロ、島くんのレキントギターのきらめき、五十嵐君のリズミカルなギター。

 あの頃、これを聴くたび、自分の心のあの子をマラゲーニャにスリ替え・・・ああ十七歳! おっと、いけない、ワインが効いてきた。思い出させるよなあ。
 ここは一九九八年十二月五日、世紀末に近く、場末に近い国立のレストラン・フェルミエール。五十三歳で大健在の「春ちゃん」こと大野春樹君が、ふたたび帰ってきた。トリオ名は「パライソ」。お宅のお嬢さんみたいに、パとラとイとソを無表情にイントネーションなしで言わないでね。ここは「イ」にアクセントがあって、パラーソと声を出して呼ぶと、ほうら、なんとなく感じます、スペイン語でいうパラダイスが。
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