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★遺伝子組み換え食品の問題点

 遺伝子組み換え食品の問題点はどこにあるかといえば、まず食品としての安全性つまりアレルギーの心配があります。遺伝子組み換えで作り出されたものは、アミノ酸で蛋白質として使われます。
 蛋白質はそもそもアレルゲンになりやすいもので、こどものアトピーの原因物質は三大アレルゲンといわれている卵、牛乳、大豆です。三大アレルゲンのうち輸入ものが多い大豆が七割を占めているといわれます。
 いずれも完全食品といわれる高蛋白食品ですが、私たちの体は蛋白質を過剰に摂取すると抗体ができてアレルギーを起こしやすくなります。適正に適度に食べることが大事ということです。
 次の問題は、環境への影響として生物の多様性を破壊する危険性があります。例えば、BTという毒素を組み込んだトウモロコシの花粉を葉っぱに振りかけて蝶の幼虫に与えたところ、4日間で44%が死に、残りも機能が非常に劣ってしまったということです。もともと害虫だけに限られるといわれていた影響が、蝶、テントウムシ、ミツバチといった益虫にまで及ぶことが分かってきました。


 何より、一番大きな話題になったのが、イギリスのローウエット研究所でプシュタイ教授が行った研究結果です。ネズミに遺伝子組み換えジャガイモを食べさせたところ、免疫機能が落ち、脳をはじめとした身体の各器官の重量が減少したということです。
 その際ネズミのリンパ球が非常に増えたことに問題がありそうだと、その結果を教授がテレビで発表した途端、イギリス政府から一切の公的な活動を禁じられてしまいました。
 もともとリンパ球が増えるのは体に外敵が入るなどの問題が起きたときで、組み換え遺伝子そのものの毒素物質なのか、マーカーつまり目印として導入された抗生物質耐性遺伝子に原因があるのか、多くの遺伝子が同時に導入されているので、そのうちのどれが影響を与えたのか、今のところ解っていません。
 いずれにしても遺伝子操作した食品を食べたために起きたということですから、生体に何らかの影響があるのは確かだということです。追試研究を始めている研究者もいますので、いずれ結果が明らかにされると思います。
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