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ています。異文化の人でも、助け合わないと生きていけない中から国を作り上げてきたのですから、けっこうたいへんだったのでしょう。
 自宅のそばの大学で、いくつかクラスをとり、アメリカ文化・歴史の一端にも触れました。以前、アメリカの文化は「メルティングポット」と呼ばれました。すべてをまぜてしまう「おじや文化」というわけですが、最近は「キルティング文化」といわれるようになりました。それぞれの文化を、変形しないで保ちながら、全体的な模様を形成していくという意味だそうです。こうして、アメリカは常に前進している国。そこに住んでみると、毎日新しい発見の連続です。無我夢中で九年が過ぎました。
 4年前に家を購入し、ようやくひと息つけるようになったところです。0から出発した私たちがここまで来られたのは、とてもラッキーだったと思います。まわりの人々、環境、空気も水も、すべてに感謝せずにはいられません。家のまわりは自然がいっぱいで、鹿も生息しています。毎年バンビが生まれ、庭の草花を食べてしまうので金網を作りました。人間がその金網の中に入れられて、鹿たちはその周
りを悠然と歩いています。
 こういう環境を壊してはいけない。空気も水も、異文化の人々も大切にしてこそ、自分も受け入れられ生かされていく。こういうシンプルなことが若い頃の自分にはわかりませんでした。どうも奥手というか、トロイというか。ここまで来てようやく、そう気づくことができたのです。
 ですから、55歳になって、再びスタート台に立ちました。また、0からの出発です。これからは生かされていることに応えられるように大切に毎日をきざんでいきたいと思っております。カリフォルニアへお越しの節はぜひご一報ください。

連絡先:3765 Laurel Way,Redwood City,ca94062
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