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■中込(旧姓高瀬)さんと同級会で会ったのはたぶん卒業以来だと思う。話に花が咲き、彼女の勤務先の小学校のブラスバンドの話に藤沢さんが大変興味を示して今回の取材となった。分校勤務と聞いて、しかも家の前の畑で野菜を作っているとのこと・・・訪ねて見たいという思いに駆られて取材に同行した。内心どんな山中の住まいなのかとても興味を持っていたのだ。
 ところが、彼女の住まいは街中の野菜を作れるほど庭の広い家でした。そこから車で 分かけて分校には通勤しているそうだ。取材者一行五人の遠来の訪問を中込さんはとても喜んでくれて、再来の時には近くの秘湯に案内をしてくれるそうですので楽しいプランでも立てましょうか。(藤田明恵)■今年は余りに桜の開花が早かった。毎年、隣家の桜の木で各地の開花状態を想像している。その木が五分咲きになったので、早速花見に出かけた。皇居東御苑の様子が気になって大手門より入る。池や菖蒲田周辺は工事中で、仕方なく平河門方向に歩を進めると、梅林はもう小さな実をつけていた。坂を登ると大島桜は満開で、寒緋桜は終りに近かった。天守閣跡にはつい登りたくなってしまうが、我慢して北詰橋門
を出る。工芸館に立ち寄り土手の上を千鳥ケ淵に向う。都内の花見はこの土手の上から千鳥ケ淵の桜を見下ろすのが好きである。缶ビールを片手にボケーとして頭に浮かんだことは、16期の仲間に山好きが多いのは酉年のせいなのかなぁー?ということだった。 (根岸佑二)■老眼が進んだので、眼鏡屋に行った。両面鏡張りの店内でフレームを物色していたとき、頭のてっぺんがみごとに薄くなった男の後姿が目の前の鏡に映った。「おやおや」と心の中でご同情申し上げていたら、それは僕の後姿だった。
 長谷川秀行君が亡くなった。棺の中で眠っている長谷川君の顔は高校生の長谷川君と変わらなかった。後日行われた「お別れ会」に飾られていた長谷川君の遺影は、言ってみれば有能な企業戦士のそれ。なぜかちょっぴりくやしくて、悲しかった。長谷川、安らかに眠れ。
 長谷川君や岩野君とつくった同人誌「根無草」が、天袋のダンボールに入っているはず。引っ張り出してみようと思いながら、今まで実行せずにいる。きっとこのまま引っ張り出さずにいるのではないか。(片山布自伎)
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