pre index next
P.02

●浜村さんは華道の草月流の相当なアーチストだったんですってね。
○清水 そうそう。
●惜しい人だった・・・。それで、立高時代のクラスは?
○清水 1年はH組で担任は生物の神谷さん。2年は玉置さんでF組。これがいいクラスだった。3年がA組。
●ようやく男女クラスになれたってわけね。やはり嬉しかった?
○清水 いやだった。
◎えっ、なんで? 女性のどこがいやだったの?(思わず突っ込むドラちゃんこと田中蓉子)
●そうだよね、そんなこと言ったら、ずっと野郎クラスだった連中が可哀相。
○清水 だって、男・男ときたでしょう? 最後くらいね。
◎だからよかったんでしょう?
○清水 いや最後くらい男子クラスにいたかった。それでドイツ語を専攻するとか、男女組を避けられそうないくつかの専攻パターンを必死に選んだ。
◎えっ、なりたくなかったわけ?(と執拗にドラちゃん)
●ならないための努力をしたのになっちゃったってのは、どうしてかなあ?
○清水 なにかの間違いだって。エヘヘ。でもほんと心配だった。アレルギー症になるんじゃないかって。
●で、男女クラスになったとたん蕁麻疹が出て・・・?
○清水 まさか! しょーがない、身長を詐称してうんと低く書いたら一番前になるかなとか考えた。これだと女の子の顔が見えない代わりに黒板はよく見えるし・・・。
●ヘンな人だなあ・・・。あ、分かった、清水君アレだったんじゃない?(と妙な手つき)
○清水 いやあ、そのケあったかもね。昔ね、職場の食堂でも女性がいっぱいいると怖くて昼飯食えなかったよ、本当。女性コンプレックスだね。
●思い出したぞ、きみの立高時代の印象はコーガンの美少年だったよ。ドラちゃん、コーガンって字、間違えないでね。
◎えっ?
pre index next