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○清水 うーん・・・。狂牛病のほかにも、なんとか熱とかエイズとか新種の癌だってでてくる時代だものね。例えば、豚に心臓を作っておいてもらって、自分がやばくなったら総とっかえなんていう研究や可能性がもうあるわけですよね。豚を肉だけ食べているよりも心臓で売れば何億円にもなるかしれないってんで、みんなそれを狙っている。死にそうなら全財産投げ打っても買いますからね。でもそういう畜産も可能になってきているその裏には、とんでもないことが起こる危険性が秘められているかもしれない。畜産というのは、あくまでも人間の食べられないものを利用することで再度食べられるものを作ろうというリサイクルの発想だと僕は認識しているんですけど、今や、元々人間の食べられるものを勝手に使ってそれをやっている。これは本当はいけないっていうか、不経済であるべきなんだけれど・・・。
●不経済であるって?
○清水 要するに人間が食べられるものを家畜にくれたら、経済的格差が生じるわけ。そういうやりかたは成立しないと思っていたら、そうじゃなくなってきたわけね。人間が充分食べられるものをいっぱい家畜に使って、食べること以外でも経済的に成り立たせようという。人間はあらゆる生物を食品の素材にして、それを食うことでコンピュータみたいなものを作って利益をあげてくるようになってきたわけでしょ。食品ってそういう次のステップに行くための最低レベルの経済構造の基盤にあたるわけだし、いつもそこから始まるわけ。
だから食品のために、その飼料を供給するわれわれサービス業ってのは、常に底辺にいなくちゃあいけないという哲学があるんですよ。だから食べるものでやっている間は、そこからはまだまだ逃げられないですよね。
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