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松本節子 今日はようこそ私たちのミニシンポジウム「高齢化社会をどう生きるか」にお越しくださいました。まず、今日の報告者お二人をご紹介します。白井(古堅)千賀子さんと大串英明さんです。 白井さんの立高生としての学園生活は一年生のときだけでした。沖縄に戻り、その後社会事業大学を経て、横浜市で社会福祉士として福祉の仕事に携わっています。近年は高齢者福祉の問題に取り組んでいらっしゃいます。
 大串英明さんは産経新聞の生活情報センターの企画委員をされていて、ジャーナリストとして「高齢社会をよりよく生きる」というテーマのキャンペーンを展開していらっしゃいます。
 司会は、泰山木編集部の片山布自伎が担当いたします。今回は、報告者のお話を聞くだけでなく、皆さんが日ごろ思っていることとか、疑問とかをどんどん出していただき、まとめるという形ではなく、皆さんの心の中に、何かひとつでも残るものがあれば、あるいは知識として増えたものがあればと思っております。
司会 片山です。これからの大きな流れをお話ししておきます。まず、白井さんに介護問題を中心に話していただき、次に、大串君に話していただきます。その後で、皆さんにいろいろ発言していただきますが、前半は、私たちの多くが今ちょうど、老親を抱えている状態ですので、介護問題について。
後半部分は、私たち自身の老後について、夢とか、疑問とかをたくさん出していただきたいと思います。

第一部 基調報告

■一人暮らしのお年寄り世帯が増えている

白井 大学卒業後、ずっと横浜市でケースワーカーの仕事をしてきました。ここにきて老人のことを主に担当するようになってきましたが、役所の頭でものを考えていては世の中うまくいかないのでは、という思いがあって、個人的に〈高齢社会をよくする女性の会〉という市民団体に所属し、そちらでも活動しています。また97年には、自分でプログラムを立てて海外で研修する企画があって、これに応募しまして採用され、スウェーデンで1カ月、イギリスで1カ月半、現地の社会福祉を体験させてもらいました。これについてもあとでお話しできれば、と思っています。
 さて、私は福祉の仕事を32年続けてきていますが、これはそのまま、日本の社会福祉の移り変わりの歴史だといえると思うんです。三二年前の福祉というのは生活保護一辺倒でした。老人問題も、貧しい老人を老人ホームに入所させるということだけで
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