ゴルフ場に隣接したバラの香 る庭にはロンドン郊外の高級住宅地の雰囲気があふれていて、アラブの富豪もお金にあかせて何とかこの地域の家を買いたいものと腐心していたようだ。
児童書『ハリー・ポッター』が売れに売れ、100年前のピーターラビットとその仲間の動物達が今もいろいろな小物のキャラクターとして人気が高く、ハーブやラベンダーとセットでずいぶんと英国のために稼いでいることから、英国王室の商売上手に触れてみよう。
2002年の夏、久しぶりに訪れたバッキンガム宮殿では、お土産品としてサンドリンガム宮殿のラベンダー畑から収穫された花を用いた石鹸、キャンディ、匂い袋などが売られていた。これらはもともと王室御愛用品として生産されているものなのだが、その土産品としての利益を、 炎上したウィンザー城の修復費用にあてるということで、さすがは英国王室、商売がうまいと思ったものだった。
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著者はこの本のまえがきで、「長年大学で教鞭を取り、イギリスの小説や絵画を論じてきた自分であるからこそ『ハリー・ポッター』の面白さを120パーセント理解できるようにも思うのである」と述べているが、確かにこの映画一つをとってもイギリスの自然やイギリス人気質を知れば知るほど、その面白さ、楽しさが増すというもの。イギリス文学を専攻してはいないので『笑うイギリス……』の本筋に論及することはできないが、自分の在英中の想い出などをからませながらまとめてみた。「正しい」ブックガイドになっていないことはどうかお許しいただきたい。 |