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この年齢になって分かった「大人の修学旅行」 

 ○三月十二日(金) 京都(桂離宮、修学院離宮参観ほか)
 七時三十六分発、ひかり303号に乗車したのは、はるばるカリフォルニアからこの日のために帰国された若井さん、岩野、片山、丹羽さんと私の五人。ホームに上がって「あれっ、丹羽さんは?」と捜したら、ホームの電光板をパチリとやっていた。「泰山木」の名カメラマンは、早速仕事にとりかかっていたというわけ。さすが丹羽さん!
 若井さんを中心におしゃべりに花が咲いたが、その若井さんがトイレから戻ってきて、「トイレがピカピカでとってもきれい! 手をかざしたら水が流れるなんて、すごい!」。また、電光板を指差して、「あれ、あの書体は明朝体よ、ちゃんとはねるべきところははねている、素晴らしいね、日本の技術は。それにニュース(政治)を電光板に流していること自体すごい。アメリカ人は字の読めない人もいるし、みんながみんな政治に関心あるわけではないし、やっぱり日本人はレベルが高い!」といたく感激のご様子。
 海外旅行中に異文化に触れた時、日本との違いをとても興味深く感じることがあるが、それと同様に彼女の場合はまるで外国人のように日本を外から見る感じになるのかなあと不思議な気がした。いつもMLに盛んに参加している若井さん、アンテナをいろいろ張り巡らしているその鋭い感性を垣間見た気がした。新幹線に乗ると必ず富士山を見る習慣のある私だが、今回ばかりは話題の切れ目がなくて富士山はすっかり頭の中から飛んでしまい、あっという間に十時二十分京都駅に到着。
 改札口で関西在住の鷲田(高田)、金森(国島)さんのお出迎え。ビーズの先生の鷲田さんとは最近会う機会はあるが、国ちゃんとは実に卒業以来のご対面。白百合のように楚々としてやさしい笑顔の四十年前そのままの国ちゃんがそこにいた! なつかしくて嬉しくて……。
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