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か、第二の人生という考えに僕らは憧れ
とか関心を抱くトシになりましたから
ね、確かに。もともとこの「お仕事拝
見!」という対談インタビューにご登場
ねがってるのは、これまでのところこの
道一筋なんていうユニークな仕事をやっ
ている人ですが、立高の同期の仲間はそ
れぞれ個性的だから、案外ふつーのサラ
リーマンばっかりじゃないですね。じゃ、
ふつーのサラリーマンってなんだと問わ
れてもよくわからないけど、さすがに
庭師さんはいない。だから、庭師の道を
エイ、ヤッと選んだあなたの生き方を、
直接会って聞いてみようかってことです。
○上村 うーん、まあ、いろいろありま
したけどねえ。
●とりあえずいつも聞いていることなん
ですが、立高時代のクラスから……
○上村 1年の時はC組で、酒井先生
が担任ね。2年がBだったかな、最初の
渡辺先生が途中で立高の定時制の先生
になられたので、その後相田先生に代わ
り、3年の時は秋山先生でG組。初めて
男組っていうのを経験しました。でもも

う3年の時はほとんど教室にはいなかっ
たな、生物部ばかりで。
●生物って言うと、大河童の渾名の浅野
先生を思い出しますね。
○上村 浅野先生はいま、実は私のお
客様でね、三鷹台にお住まいで、とても
お元気です。ずっと年賀状をやりとりし
ていましたから、いつか「庭師を始めま
した」と書いて出したら、うちの庭の手
入れをお願いしたい、ただし君の定価通
り、師弟関係だからといってサービスは
一切無用、という返事をいただいた。あ
りがたいお話で、もう何度もお伺いして
ますよ。
●いやあ、それは美談ですね。ところ
で、出身中学は羽村の何中?
○上村 いや、当時は一つしかなかった
羽村中学。私たち同期は5人いるんで
すけどね、女性はアメリカに行っておら
れる森田……トキ子さん。男は高尾の
博物館に行っている新井二郎さんで
しょ。ところが後の二人がもう亡くなっ
ちゃっているんですよ。柔道部のでかい
中野精吾くんと、中根正くん。中根く

んは、本当に若い時に亡くなってしまっ
たんですよ。
●残念なことです。お二人の話は僕ら
も知っていました。中野くんについては
宇津木(宏征)くんが『泰山木』に追悼
文を書いてくれたけど、中根くんを追
悼してくれる人がなかなか見つからなく
て……。そういえば新井二郎くんの高
尾自然博物館がとうとう閉館させられ
てしまったようで、これも残念なことで
す。
○上村 そうですねえ。ワタシは精吾
ちゃんとはとても仲が良かった。精吾
ちゃんは生物のことは何も関心はなかっ
たけど、隠れ生物部だなんて言って、当
時の生物部の部長だった青木(寛治)く
んだとか岡田(和雄)くんだとか関根タ
ケちゃんだとかそんな連中とすごくウマ
があったみたいで、始終部室へ来ていたっ
け。青木カンちゃんはいま日野で本屋の
社長さんをやっているはずです。
●ああ、いろんな人が出てきましたね。
○上村 一番仲が良かった岡田は今、大
阪でね、済生会病院の多分、事務長を
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