すね。スタートは順調でしたか?
○上村 やはり知人と地縁が大事です
よね。ワタシ羽村で消防団やってたもん
だから、そういう昔っからの仲間とか、
家内が高校の同窓会でうんと宣伝して
くれたおかげとかね。それとね、ポス
ティングもやったけどあれはぜんぜんダ
メ。「留守番も頼める庭師・お庭の床屋
さんお受けします」なんてコピーを書い
て手作りのチラシを配ったけれど……。
でも信頼されるのが始まりです。庭に
入ってるから、その家の様子とか状態な
んかが開けっぴろげにわかっちゃうし、
だから信用第一、こちらもできるだけ
その家の立場になって、お客さんの気持
ちを第一に考えて仕事をさせてもらう
んですよ。
●たとえば、どんな……。
○上村 ともかくいろんな話をする。
花の咲く時期や樹木の名前、お客さん
の出身地のこと、世間話でもなんでもい
いんです。花とか木のことは知ってるの
が当たり前と思われるけど、知らない
|
こともたくさんある。でも、調べること
はすぐできる。だから、それは分からな
いですから今度調べておきますって正直
に言って、ちゃんと答えるようにする。
またお客さんの懐具合に合わせて仕事
の内容を考えるとか……そういう仕事っ
ぷりを、ご近所の人もどこかで見てるん
だね。ついでにウチもお願いしますよっ
て、お客さんがお客さんを呼んでくれ
る。飛び込みなんて、その回限りが多い
です。
●そうですか。上村さんの話しっぷりは
とてもなめらかだし、面白いから、お客
さんも楽しく飽きないだろうと実感し
ましたよ。いろいろいい話を聞かせても
らいました。もっと剪定のこととかあれ
これ聞きたいんですが、いくら時間が
あっても足りない。次回にお願いするこ
とにして、最後にひとつ、第二の人生に
悔いはありませんか?
○上村 まったく、ないです。まあ収入
はサラリーマン時代からよほど減りまし
たがね、なんとか夫婦ふたりでご飯を
|
食べていかれればそれで十分。お金では
買えない充実感がありますもの。一日
仕事をやって夜9時に寝て、朝4時に
起きる。毎日そんな規則正しい暮らし
ですからね、気持ちも身体もサラリーマ
ン時代に比べたら健康そのものですよ。
◎全員 ありがとうございました。
(2003年11月24日取材)
■取材を受けて
(『秦山木』への復帰宣言)
上村文雄
「立高同級生の根岸です」と、突然の
電話があった。顔は無論、名前さえ記憶
にない。なんでも、『秦山木』に小生の紹
介記事を載せたいとのことであった。功
なり名とげた同級生あまたあるなか、
小生のごとき落伍者が如何かとも思った
が、「多少商売につながるのなら」とお |