●あ、すばらしい写真ですね。写真のほうもプロなんだ。
○新井 え、まあ・・・・じゃ、ちょっとこれも見てください。この「シモバシラ」というのと「コチャルメルソウ・ハナネコノメ」というの(別掲)、これは京王電鉄が高尾山の魅力を紹介しようということで、京王線の駅貼りポスターや中吊りの沿線ガイドとして使われているもので、ご覧になったかたもいらっしゃると思うんですが、実はこの写真、僕の撮ったものなんです。館内のたくさんあるリーフレットの写真もほとんど、自前のものです。なんせ、予算に乏しいものですから・・・・。信じられないかもしれないけど、ここの年間予算のなかの事業活動費は、たった5百万円ほどしかないんです。コピー用紙にもこと欠く始末なんですよ。ここの常設展示に7、8センチぐらいのヒキガエルのレプリカがありますが、その |
製作費なんか一匹ン拾万円もするので、全体ですぐに1千万を超えてしまうくらいだから、ちょっと、ね。建物も手狭なので、展示企画にも支障が出ているし、改築や新築の計画の話もあるにはあるんですが、なんせ今は緊縮予算の真っ最中でしょ、組織そのものを縮小しようとしているときなので、なかなか実現されませんね。首都圏でちゃんとした自然史博物館がないのは、東京都ぐらいなものですから、かなり寂しい思いをしています。それでも高尾山には、昔からの八王子自然友の会とか、その他にもいくつものボランテイア組織があって、何かと「雑芸員」の手足となってくれています。ありがたいことに、こういう人たちがここでの拠点になってくれているのですが、よくある「博物館友の会」というものにまではまだ組織化されてはいません。 |