★医療事故で亡くなっている人は多い?
最近、医療事故がよくニュースになりますが、これも急に出てきたわけではありません。いままでは表に出なかっただけ、と捉えるべきだと思います。
医療事故についてはアメリカでは統計がありますが、日本はありません。裁判になっても、日本ではこれまで医療事故が裁判になってもほとんど原告、患者側は勝つことができませんでした。裁判官も弁護士も医療に関しては素人ですから、よほど専門的な知識を持った方を味方に付けないと勝てません。
最近でこそ開示されるようになったカルテですが、以前はほとんど医者の側だけが持っていました。ありがたいことに、情報公開の流れの中で医療事故などもよく報道されるようになりました。
そのアメリカの昨年度の統計によると、医療事故で亡くなった人の数は、乳ガンで死んだ人、交通事故やエイズで死んだ人よりも多いんです。データの取り方によっても幅がありますが、5万人から9万人にものぼります。
アメリカの報告書では、こうした医療事故を減らすには、医者や看護婦の過重労働から発生するミスにシステム的に対応しなければならないと警告しています。統計のない日本ではどれくらいの人が医療事故死しているのかわかりませんが、ぜひ統計をと |
ってほしいものです。
消費者運動というのは非常に幅が広くて、生活にかかわるすべてがターゲットになっています。立高時代、生物の浅野先生が「生物は暇と金のある人しかできない」とおっしゃったような記憶があるんですが、今は研究者が競って参入しています。
21世紀はバイオの時代といわれており、研究者にとっては非常に魅力のある分野になっています。でも、こういった問題を私たち消費者が捉えていく場合には、生物の基本をもう一度勉強し直さなければなりません。消費者の強みというのは、日常の生活に即して考えたことを発言できることにあります。
これに対して研究者は、研究が将来的には人類のためになると思ってやっているわけですが、大きな組織に利用されたり、結果として問題を引き起こしてしまう場合も多いのです。今は研究分野が非常に先鋭化、細分化されているので、最先端にいる研究者でもちょっと分野が違うと私たち素人よりも知識が乏しく、問題を知らなかったりします。だから、専門的には研究者にはかないませんが、基本的なところを勉強して、消費者として、生活者として、発言していくことが大事なのです。 |