●残滓って豚なんかが食っている残飯?
○清水 あれと違うんですよね。麦なんかのいいとこは人間が食べますよね、要するにその原料の副原料、皮とか胚芽とかの残りを麩(ふすま)とか糠と称して家畜にくれるわけ。だから当時は人間と家畜のサイクルというものが、実感としてあったのね。
●それが配合飼料になった理由は?
○清水 各農家がそれぞれ原料を買ってきて勝手にやっても、成分的に充分なものが作れるかどうか疑わしい。原料を揃えるのも大変ですからね。だからそれをみんなやってあげましょうと。混ぜたものを持って行っていかがでしょうかとなるわけね。養鶏家や養豚家は、餌をくれて太らせたり、卵をとったりするのが目的だから、そっちに |
専念してくださいと。餌を調達するのはわが方でやりますからと。
●養鶏や養豚の需要がどんどん増えていった頃だね。
○清水 東京オリンピックあたりまでは養鶏がぐっと伸びましたからね。最初庭先で10羽、20羽だったのが、衛生的であると称して金属製の網のケイジ(かご)やバタリー(鶏舎)を使ったケイジ内養鶏なんてのが盛んになった。千羽クラスを飼っている人は大養鶏家となって、当時卵価もどんどん伸びてキロ4百円くらいまでいってね。でもみんな面倒くさいから、われわれ餌屋に、餌を持って来い、鶏糞は売って来い、卵は市場に出せとか、注文も増えた。 |