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■講座其の一 客殿にて

生田和尚いわく・・・・・
 皆さん、生田です。ご無沙汰しました。今日はよくいらっしゃいました。立高同期の皆さんの新年早々に坐禅をという殊勝なお心に、なにぶんにも寒いし大変かもわかりませんが、私も楽しみ……といっては一寸ナンですが、気持ちを入れてさせていただこうと思っております。
 一応今日は、当院の坐禅会の人にも二人お手伝いに来ていただいております。初め、みなさん座り方も分からないでしょうから、これから本堂へ行って座っていただいて、まず座り方から10分くらい説明申しあげます。それで格好として私も警策(けいさく)という坐禅につきものの棒を使います。すぐ眠っちゃう人はいないでしょうけど、姿勢が悪いとか弛んでいるとかいう人は、高校時代に、私、いじめられましたから、その恨みをここで逆恨みして、この警策でバシバシいきますので、覚悟してください。そういう警策の受け方もきちんと説明いたします。
 まず開板といいまして、板を叩いて出入り禁止で

すよと鳴り物で始めます。これは坐禅会の方が全部やりますし、お経も般若心経と坐禅和讃というのを前後二つ読んでもらいます。その経本は皆さんのお手元にあります。大きい字で書いてありますから大丈夫、老眼の進んだ方もご安心、ちゃんと読めるはずです。
 坐禅は、一応正式に「二シュ」といいまして線香2本分、まあ短いのを2本分やります。今日は寒いですけど本堂はもっと寒いです。でも気を入れてやれば寒くありません。弛んでやると寒いですよ、正直のところ。ですからびしっとやってください。
 と、まあ、そうは言ってもアレですから、今日は特別にストーブもいれてあります。窓も普段は開けっ放しでやるんですが、今日は無理でしょうから閉めてやります。ストーブもつけっぱなしでやります。それでも皆さんの家に比べて寒いかもしれませんから、座ったときに膝の上に何か掛ける物を女性の方は用意されて結構です。まあそんなことでお願いします。では覚悟して本堂のほうへ移っていただ きましょう。
名調子!と声をかけたくなるほどの生田師の講話である
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