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■講座其の二 本堂

ふたたび、生田和尚いわく・・・・・
 では座り方を言います。まず座布団を一枚後ろにこういうふうな形に折ってください。どっち向きでも構いません。その折った上に、お尻を乗せます。乗せて足をこういうふうにしてみてください。
 それでですね、ちょっと見てください、半跏(はんか)、結跏(けっか)を本式にやると、結跏跌座(けっかふざ)って両方向にいっちゃうんですね。両方向にいきまして、びしっとこうやって、どかっと座るんではなくて、膝とお尻の三点で座る形なんです。正式にいくと三点で。ここがぴたっと、ぴたっとというか三点でこういうふうに全身を支える、いわゆる背伸びをしている感じなんですね。新聞読んで日向ぼっこで老人みたいにやっていたらコトですから。これが一応長くもたせる、まあ、坐禅に慣れている人は結跏跌座でこういきます。ただいきなり結跏は難しいですから、場合によっては半跏、片方だけでも構いません。その代わりこれが痛くてここで我慢していると長もちできませんから、痛くても逆にぐーっと、こういうふうにしてしまって、皆さんよく仏像で見られると思うけど、足の裏が真上に向くほうがよろしいんですよ、長くやるには。それで一応こういうふうに姿勢をとりますね。私も今半跏になってしまいましたけど、まあ、とにかく結跏でも半跏でも構いません。そうしたら下っ腹に力を入れて姿勢を腰から背中までをまっすぐ、いわゆる言葉は悪いんですけど脳天から串を刺されてですね、尻の穴に刺さるぐらいまっすぐの姿勢になってください。
 それで手はですね、われわれの場合は自分の手で握手するみたいに軽くこういうふうにして、ちょっと支えるぐらいです。肩の力は抜いて腹の下に力を入れてそれで前後左右にこう振り子みたいにゆすって今度は左右にもゆすってぽんぽんぽんと真っ直ぐになるぐらいの形です。あと、眼はですね、半眼といいまして半分ぐらい開けます。それで軽く一畳先を見るぐらいの感じに眼を閉じます。それが坐禅の姿勢です。

続けて、生田和尚いわく・・・・・
 お次は、呼吸なんですが、呼吸は吐く方に意識して、心の中で「ひとーつ」と言いながら、なるべく長くずーっと吐いていきます。自然に全部吐き出せば、すっと必然的に吸いますから。今度はまた吐くのを意識して「ふたーつ」と心の中で言う。それを十まで一つ、二つ、三つ、四つ、五つと十まで言ったら、また一つに戻って、一つ、二つといけば余計なことを考えないで無になるであろうと。なかなか無にはなれませんけど、まあ、無になるであろうといわれています。そういうのが全体的な形の姿勢なんですね。それであと一応坐禅会ですから、警策で姿勢の悪い方あるいはちょっとみにくい方、直したりします。
 もしも警策を受けたいという人は合掌してください、「お願いしますよ」、と。くれぐれも「この野郎!」ではなくて、「お願いしますよ」とね。警策でお願いしますという場合は、私がずっと歩いて前へ来たら合掌してください。そしたら、こっちの肩をたたきますよと合図しますので。そしたら合掌してちょっと低頭して叩かれる方の手をついて、こういうふうに首をさあどうぞ、上手に叩いてください、とします。骨をはずしてパパンといきますから。だいじょうぶ、大丈夫、怪我させませんよ、絶対に。私は一応プロですから、叩きかたは、とてもうまい。自分で言うのはナンですが。それで、両肩いきます。片方こういうふうにしてもう一回こっちをこういうふうにすれば両肩パンパンといくようにしますから。まず坐禅会の人に受けてもらいましょう。一応サクラということで(ここで坐禅会の方が打たれ方の見本になって下さる)。ま、姿勢はそういう形でやっていきたいと思います。

とどめに、生田和尚いわく・・・・・
 次に順番です。うちの坐禅会は日曜日の朝やっているんですが、最初「開板(かいはん)」といいまして一人の方が外へ出て行きまして、「開板」を打ちます。そしたらもう出入り禁止ですよと。その打ちかたは七、五、三とあるんですが、三つ目になったら正座します。お経を読むときも正座をします。

まずは客殿にて パパンと警策
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