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 新卒で小学校に勤め始めて、二回目のお正月が過ぎた頃、学芸大学で同じ教育研究部に所属していた西川(旧姓)礼子さんから、「結婚します」という手紙が届いた。新米教師として、小学生を相手に余裕のない毎日を過ごしていた私にとって、同じ新卒で小学校に勤めた友人から「結婚します」の知らせが届いただけでも驚きだったのに、その相手の方が、学芸大で私と同じクラスだった高島宣之さんだと知って、二度びっくりしてしまった。礼子さんと宣之さんとは大学時代はクラスが違っていたため、接点は一つもなかった。たまたま新卒で赴任した学校が同じ小学校だったため出会ったのだった。礼子さんと私は当時二十四歳。友達からの結婚式の招待状を受け取ったのは、これが初め
■礼子さんに原稿をお願いした しに次の献辞が達筆で認められていました。
『花ひらくのは これからと信じたい』     (岩野浩二郎)
てだったので、特に驚きが大きかった。そして結婚後は、二人の娘さんと四人で、よく山に行ったり、スキーに行ったりしている様子を年賀状等で時々、うかがっていた。
 だいぶご無沙汰が続いたある年、卒業後三十年ぶりに学芸大のクラス会が開かれた。高島宣之さんは欠席だったが、「今、フランスのシャモニで一人暮しをしている」という彼独特の楽しい文章で、あちらでの個性的な生活が綴られた近況報告が届いていた。私は、またまた驚いてしまった。ここ数年のご無沙汰もあって、私は早速、礼子さんに電話をしてそのいきさつを聞き、夫の夢を実現させてやりたいという礼子さんの思いに感動した。
 その後、礼子さんを通して、毎月、ご主人が日本の友人達向けに発行している「シャモジー通信」という便りが、私の家にも届くようになった。もともとご主人は「これ」と思うと熱中するタイプだそうで、シャモニでは、旅行案
■米国便り 加州草紙
内の合間に、フランス語を勉強したり、絵をかいたり、植物図鑑を片手に高山植物の知識を増やしたり、料理の勉強をして、シャモニに住む日本人家族を招いて食事会をしたり、たくさんの映画を見に出かけたり……。「シャモジー通信」には、シャモニでのご主人の何とも優雅で次々に新しいことにチャレンジしていく生活ぶりや、ご主人の目から見たフランス人の生活の様子などが書かれていて、毎号楽しみに読ませていただいている。
 礼子さんは、春、夏、冬と、小学校が休みになると、娘さんや友人、親戚の人達とヨーロッパに出かけ、ご主人と共に、パックとは一味も二味も違う手作りの山登りや旅行を楽しんでいる様子。何ともうらやましい限りだ。
 今回は、このお二人のユニークで素敵な生活ぶりを皆様にお知らせしたいと思い、礼子さんに原稿をお願いした。(野崎晴美)
 アメリカ支部とは名ばかりで何もできないのに、編集長からは編集関係の情報を毎回お送りいただいて恐縮しております。そのやりとりの中から、編集部の全員が、お忙しいスケジュールにもかかわらず、「泰山木」を一生懸命つくられているお姿を垣間見て、本当にありがたく思っております。ならば、アメリカ支部からの便りでも投稿し、少しでも参加させていただこう、などと思い立ちました。たまたま、16期MLグループで、気象庁の青木氏と気候についてやりとりをしておりましたので、これをもって、ご報告にかえさせていただきます。名づけて『加州草紙』。(青木孝さん、ご協力ありがとうございます)
◆青木 記
『千鶴』(京都、修学旅行参加後……)こちらにかえってきたら、花々はいっぱい咲いているし、日本の春に似てますが、モクモクと夏みたいな雲がでていました。『青木』カリフォルニアには行ったことはないのですが、もう
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