pre index next
  
この年齢になって分かった「大人の修学旅行」 

 桂駅から桂離宮へと歩く道すがらの喫茶店で昼食をとったが客がいないのになぜか待たされ、充分余裕のあったはずが最後は桂離宮まで二人で駆け足(なんでこんな目にあうんだぁ)。桂離宮はすぐ横手にあるのに入口までがなんとも遠くて焦ったこと! 直行した永野、白井さんの二人を心配させることになってしまったが、なんとか滑り込みセーフでやれやれ、本当に疲れたぁ。
 桂離宮は竹藪に囲まれた人工的に見事に作られた庭園と、七つの茶亭と、床が高く白壁の美しい書院等、簡素ではあるが意匠をこらした建築との総合芸術空間という感じで、ガイド付きの充実した一時間が過ごせたが、写真の撮れる場所が限定されていたのはちょっと窮屈で残念な気がした。入口で案内してくれた人をてっきり受付の人と思っていたが、参観者の一番後からずっとついて来るので変だなと思って腕章を見たら、なんと宮内庁警察の人だった。そう、ここは宮内庁管轄の地だったということを改めて認識。
 感激の参観を終え門を出てからゆっくり垣根を眺めると、竹の穂を横に積み上げた垣根(桂垣)と、生えたままの竹を曲げて組み上げた変わった生垣(穂垣)が桂離宮をぐるりと囲んでいて、とっても手がこんでいて珍しくて、四人共思わず立ち止まり、自然を活かした超芸術品にしばし見入って感嘆の声。来る時は集合時間に遅れまいと何しろ必死でひたすら走っていたので何も目に入らなかったのだが、最後に素晴らしい竹の垣根を思いのままに観賞できたこともあって参観申し込み手続きの面倒だったことなど忘れてしまうほど、桂離宮を参観できた喜びは大きかった。
pre index next